今回は膝蓋骨内方脱臼のお話です。
症例は1歳のチワワちゃんで右後肢跛行を主訴に来院されました。
この子の右の膝蓋骨は完全に内方に変位しており、正中に整復することはできませんでした。
膝蓋骨内方脱臼のグレードⅣ(4段階のグレードで1番悪い)と診断し、手術することとなりました。
術前レントゲンです。
矢印は変位した膝蓋骨です。
毛刈りを行い、消毒してフィルムドレープを貼りました。
切皮しました。
膝蓋靭帯が内方に変位しています。
関節包を切開し、大腿骨滑車を目視しています。
本来、溝があるはずですが、平坦になっています。
造溝術を行い、溝をつくりました。
膝蓋靭帯が真っ直ぐになりました。
次に脛骨粗面転移術をおこないます。
脛骨粗面を外方にずらして、K-wire2本で固定しました。
外側の関節包を縫縮しました。
膝蓋靭帯は正中に整復されています。
術後レントゲンです。
膝蓋骨はしっかり正中に整復されています。